社会を生き抜く知恵

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書評:年末だから来年を生き抜く戦力を考えよう~白いネコは何をくれた?by佐藤 義典

投稿日:2016年12月31日 更新日:

今年もいよいよ終わり。
ということで、来年を生き残る戦略を考えようとしていたところ、面白い本を発見したので、早速アマゾンでポチっと押して、読んでみました。

今に不満があるのなら、小さなことでも行動して変えていくしかない

この本は、筆者の経験を下にした広告代理店の若手サラリーマンの成長を描くストーリー部分と、戦力理論を具体例(マクドナルドや吉野家)を交えて説明する解説部分に分かれています。ですので、マーケティング本と聞いて、理論の説明ばかりで退屈そう・・と思っている方でも、小説を読むようにすいすい読み進めることができます。

そして、筆者は初めにいきなりきついパンチを読者にかまします。

明日は今日より幸せになりたいのなら、昨日と同じことをしてもダメです。それでは今日と同じ明日が待っています。周りも進化するので、今日と同じことをしていると、明日は今日よりも厳しい日になります。明日を今日より良い日にするためには、今日を変える必要があります。来年を今年より良い年にするためには、今年を変える必要があります 引用先:佐藤 義典「白いネコは何をくれた?」※以下同様

はい!おっしゃる通りであります!ただ、そうは言っても、毎日朝起きて、満員の通勤電車に揺られてストレスがたまる仕事をして、家に帰ったらもう夜。そんな生活送ってればいつの間にか年末・・・今年も何もやらなかったなあ・・・ってなるのが人間ってもんなんですよ。いったいどうすりゃいいの!って思ってる人が私を含めて大半なはず。

筆者は、そういう人々に向けて、こう言い放ちます。

それは「明日を生きる戦略」がないからです。  簡単に言うと、「どうしていいかわからない」まま今日を過ごしているということです。

そして、戦略を考えて、日々生きてくことが何より重要だとのこと。ここまで読んで、戦略?会社じゃないんだから、そんなのサラリーマンの俺に必要なの?と思いましたが、意外に簡単なことのみ考えればOK。
それは「戦場」、「独自資源」、「強み・差別化」、「顧客」、「メッセージ」の五つのみで、個人に置き換えて、具体例を挙げてくれています。例えば、自分がサラリーマンなら、「社内に留まって生きていくのか」、「同業種で転職するのか」、「独立するのか」、まず自分が生きる場所=戦場を設定することが何より重要。そして、それを踏まえた上で、自分が持つ「独自資源」を考えていく。「独自資源」?そんなの平凡なサラリーマンにあるか!って思うでしょうが、そこまで難しく考えなくても大丈夫。今まで自分が携わってきた仕事を振り返り、自分の性格をあらためて考えて、向き不向きの仕事を当てはめていくだけ。例えば、営業経験がある人で、営業先は個人か?法人か?、何を売っていたのか?それは自分に向いていたのか?など。

全ての経験に意味がある、と言うよりも、すべての経験から無理矢理にでも何かを引き出すのです。「何が自分に向いていないかわかる」だけでも重要です。

と、こんな風に、筆者は抽象的な議論を行うのではなく、具体的に個人に当てはめてどう社会を生き抜いていくのかというレベルまで落とし込んで説明してくれています。残りの詳細は是非本を手に取って読んでみて下さい。年末を機会に自分のキャリアを振り返り、どう生きていくかを考える良いきっかけになります。ちなみに、ストーリー部分も小説風になっていて、結構面白くて、「嫌われる勇気」に似ている感じの青年の成長物語になっています。

最後に、私がこの本で一番耳が痛かった言葉を引用します。

今の日本には歯がゆさを感じます。何かというと他人のせい、政治家のせい、という論調。それより、他人は気にせず、自分にできること、すべきことを精一杯やり、自分自身が輝く。

今日の社会を生き抜く知恵

やらない理由は無限に作ることができるが、結局のところ明日を少しでも良くするためには、今日を今を変える行動を自ら一歩ずつやり続けるしかない。何もしないで、他力本願で状況が良くなることなどありえない。

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