社会を生き抜く知恵

仕事や経験、本から得た知識に基づき処世術、豆知識など社会を生き抜くための知恵を紹介

オピニオン

台風19号、正常性バイアス、情報弱者たる高齢者について

投稿日:

台風19号は大規模な被害に至らない可能性の方が高いだろうが・・・

さて、台風19号のため、三連休の首都圏はてんやわんやの大騒ぎである。

SNSをはじめとするツイッター、はてな界隈も、テレビの地上波もこの話題でもちきりである。

なので、今更、専門家でもない一個人が、この台風について何かを語ってもしょうがないのだが、思考実験として書き留めておきたい。

というのも、おそらくこれだけあらゆる情報媒体で、この台風の危険性について大騒ぎをしているが、それでも一定の人間、というより大多数の人間は、何らの避難行動をしないだろうと考えているからだ。

つまり、いざ目の前に水が迫ってきたとか、土砂が溢れてきたというときまで、逃げる行動を取らないだろう。

ただ、現実問題、それでも一部の被害はあるにしても、大きな被害には至らないだろう。

実際、荒川が氾濫して、都内の大多数の住居が浸水などということが起こるのは、確率としては低いだろう。

自分も含めて、多くの人々がそう考えているから、いくらやかましく「避難してください」、「命を守ってください」と外野が叫ぼうとも、最後の最後まで避難しない。

だから、こういう思考実験をしてみる。

もし、仮に確率が低いこと、そう例えば荒川が氾濫して、都内の全域で浸水するということが起こった場合、どれくらいの被害になるのだろうかということを。

おそらく、正常性バイアスが強いのは高齢者だろう。年を経ている分、自分の経験を絶対視して、根拠のない楽観論に染まる。

それに何に対しても、「面倒」という感情が、優先されて、鈍くなった体を動かして、雨の中で、避難所に行くなど大半の人間はしない。

情報のアクセスの媒体もテレビだけと限られている。自分の地区のリアルタイムの危険度を把握するには、ネットで調べるのが一番だが、高齢者の多くはこれができない。

そもそも、詳細なハザードマップを出しても、そんなものを見るのは、言われなくても避難をする危機意識の高い人々だ。

だから、当然、被害者として多くなるのは高齢者だ。

対策としては、何があるのだろうか。正直、これだけ情報発信しても避難しないというのは、もう強制的に避難させる以外にないように思える。

もし、今回の台風で上記の最悪のケースが起きて、無視できないほどの被害が生じた場合、そういう対策が取られることになるのかもしれない。

一種のパターナリズムみたいなものとして考えれば、正当化もできる。

それにしても、わずか10年前に確率が低い想定外の津波で、空前の被害が発生しても、なお避難しない人間が多いのは色々と考えさせられる。

やはり人の「自分は大丈夫」、「面倒だ」、「行動したくない」という性質は大きいものがあり、高齢者や受動的な人ほどその傾向が顕著なのだろう。

正しい情報を簡単に入手できる手段を手にしていても、大半の人々はそれを利用できないということなのだから、ある意味フェイクニュースやデマよりも深刻かもしれない。

-オピニオン

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

コロナウイルスに関する必読記事10選

ツイッター経由で、アクセスしてくれたんですね! ありがとうございます!では早速以下の必読記事をご覧ください! その1:「必読」「絶対」なんてものはたいてい偏った話なので信じないこと その2:医療に関し …

エッグボーイの行った行為の本質はテロと大差ない

エッグボーイの行った行為は称賛されることなのか。 エッグボーイって誰だ?という人もいると思うので、簡単に説明する。 詳しくはリンク先の記事を読んでもらいたいけれど、ニュージーランドで起きた反イスラムの …

責任

中流家庭に生まれただけで人生かなり得しています。

あなたは中流階級出身ですか? ここ10年くらい前から日本にも格差社会が到来したと言われてます。 実際、相対的貧困率は過去30年間で上昇傾向にあります。 が、自分も含めて一般の国民は格差をあまり意識して …

お金が許すのならはっきり言って、子育ては外注したい

自分の子供と触れ合っててそんなに楽しいのだろうか? 1歳3ヶ月になる娘がいる。今や完全に歩けるし、走れる。そんな訳で、少し目を離すとあたりを駆けずり回っている。 といっても、会話の方はまだろくすっぽも …

デキ婚をした小泉進次郎氏を計画性がない人間だと判断するのは間違っていますか?

デキ婚をしても別によいけれど・・・ さて、下世話な話しを本日は書こうと思う。 他人様の私生活、ましてや結婚や妊娠について論じるなど、まっとうな人ならどう考えても眉を顰める話しである。 ましてや単に祝福 …