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災害時のデマの特徴~書評:検証 東日本大震災の流言・デマ by 荻上 チキ

投稿日:2017年2月27日 更新日:

アマゾンの読み放題サービスのキンドルアンリミテッドで面白そうな本があったので、さっそく読んでみました。もうすぐ東日本大震災から6年が経ちますが、この本はその震災時に流されたデマの内容や特徴を書いたものです。熊本の震災の時も一部デマは流れてましたし、今後数十年以内に起きると言われている関東大震災が起きた時の心構えとして、また自分の備忘録として、災害時に流れるデマの特徴と人間心理をまとめてみました。

流言やデマについても、あらかじめ過去の事例を知っておくこと、あえて騙されてみるという擬似体験を繰り返すことで、流言やデマに感染しにくくすることができると思います。(検証 東日本大震災の流言・デマより)

著者も、歴史に学ぶことが重要と言ってますし、「愚者は自らの経験に、賢者は歴史に学ぶ」ということわざにもあるように、今のうちにデマの特徴を学んでいきたいと思います。

デマの特徴~報道されていない真実を関係者が密告したという形で伝えられる~

デマの特徴として、「東京電力に勤めている知人から聞いた」とか「自衛隊にいる親戚から聞いた」など、信憑性を高めるために、関連している企業や官公庁に勤めている人、または医者や教授など一般的に社会的信頼性が高いと思われている人からの告発という形で行われます。あくまで知人や親戚など情報元は曖昧で確定できないようにぼやかされているのですが、関係している内部関係者が情報の裏付けをしているという体裁が取られています。

コスモ石油に勤めてる人からの情報で、しばらく雨に濡れないように気をつけたほうがよいとのこと。火災で有害物質が燃え上がって雲についてるんだって。知り合いに広く教えて回して欲しいとのことでした。洗濯物も外に干さないほうがいいかも。(検証 東日本大震災の流言・デマより)

厚生労働省から病院関係者にメールが来ました!お近くの方に、転送お願い致します。千葉県及び近隣圏に在住の方。コスモ石油の爆発により有害物質が雲などに付着し、雨や等と一緒に降るので万一に備え、外出の際は傘かカッパ等を持ち歩き、身体が雨に接触しないようにしてください。(検証 東日本大震災の流言・デマより)

自分もそうですが特に若年者の場合は、新聞やテレビなどの既存のマスメディアを「マスゴミ」と揶揄するように、あまり信頼していません。平時ですら信頼していないのですから、これが災害などが発生し、冷静さを欠きやすい状態になると、「報道されていないが関係者から聞いた情報によれば実は○○なんだ・・・」という風に、既得権益に縛られて報道できないメディアに変わり、真実を知っている一個人が告発したという形で情報が流されると、深く考えずに信用してしまう人もいるでしょう。ですが、「メディアで取り上げられていない」=「メディアが真実を隠している」という訳ではなく、新聞やテレビなどは影響力が大きく、報道する内容も慎重に扱いますから、裏付けされていない根拠のない情報を流すことは通常しません。なので、「メディアで報道されていない=隠された真実」ではなく、「裏付けできないからその情報を流していない、つまりデマだから流していない」という可能性の方が高いのかもしれません。どこの誰が流しているかわからない匿名の個人のWebサイトの情報の方が冷静に考えればはるかに疑わしいはずです。(まあ、そう言っているこのwebサイト自体も正にそうですがw)

災害時の混乱に乗じて犯罪が増加するというのは真実ではない

関東大震災の時に流れたデマのように混乱に乗じて、犯罪が横行し、治安が乱れるという話はよく言われがちですが、どうやら事実に反するようです。先の東日本大震災の時も、「外国人窃盗団が暗躍している」、「女性が避難所で暴行にあった」と言った風説が流れていましたが、実際は凶悪犯罪はほとんど発生しないというのが真実のようです。

95年当時の兵庫県の犯罪統計などを見る限り、阪神・淡路大震災の当時に性犯罪が激増したというデータはありません。(検証 東日本大震災の流言・デマより)

また、よく言われた「日本人は、災害の際も理路整然と冷静に行動する、日本人すげ~」というのも神話で、火事場泥棒する輩も少なからずいて、軽犯罪はそれなりに起きています。さらに、災害時に助け合うのは何も日本人だけの特徴という訳ではありません。古今東西を問わず、災害発生時には、困難を乗り越えようとむしろ普段の対立を忘れて互いに助け合う一種のユートピアが一時的に実現する傾向があるようです。考えてみれば、災害が発生した地域には、自衛隊はもちろんのこと、他の都道府県からも警察関係者が救援に出向いており、むしろ普段よりも治安要員が多いくらいなので、そんなに好き勝手に犯罪を起こせるわけないですもんね。災害時に、「犯罪が横行してヤバイ」という話が出たら、眉にツバをつけて聞いた方がよいかもしれません。
どん底で助け合う普通の人々と機能する市民社会~「災害ユートピア」著者レベッカ・ソルニット~ダイヤモンドオンラインより

本日の社会を行く抜く知恵

災害時に流れる「一個人が告発するマスコミが報道しない真実」はデマの可能性が高い。また、災害時には、軽犯罪はそれなりに発生するが、凶悪犯罪が横行し、治安が乱れるほどの混乱は起きない。

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