フリーランスは社会的信用がない・・だから、住宅ローンも借りられない・・
こういう話って、よくTwitter等でまことしやかに語られてますが、本当でしょうか。
まず、結論ですが、フリーランスでも余裕で住宅ローンの審査は通ります。審査が通らない人は大抵の場合、フリーランスとは関係ない点で落とされてます。
「いやいや・・あんた?そもそも何者?」
この記事を書いてる自分は、銀行に10年以上勤務、住宅ローン営業、審査の実務を昨年(2018年)まで5年以上行っており、FP1級も保持しているので、それなりに信用して頂いて大丈夫です。
それでは、フリーランスでも住宅ローンの審査はなぜ余裕で通るのかを説明していきます。
現在フリーランスで住宅の購入を考えている方、またはこれから独立してフリーランスになるけど、住宅ローンとか不安・・・と思っている方がいたら参考にしてください。
フリーランスに限らず住宅ローンの審査が通らない人
まず、住宅ローンが通らない人の代表的なケースと対策を紹介します。
フリーランスに限らず、一番多いのは、過去5年以内に借入の延滞履歴がある場合です。ここで言う借入とは信用情報機関に登録されている借入を指します。
「いや・・多分大丈夫だと思うけど・・よくわからんわ・・もしかしたら一回くらい家賃遅れてたかも!?・・」
そう思うのも無理はありません。借入と一言でいっても、様々な種類がありますから。
ちなみに、家賃は借入ではないので、関係ありません。ただ、クレジットカード払いにしていて、支払が遅れてしまった場合、しっかり登録されてしまいます。
ちなみに、「信用情報機関」という物々しい名称から近寄りがたい秘密結社のようなイメージを持つ人も多いかと思いますが、登録されている自分の情報は簡単に開示して貰えます。
なお、銀行が住宅ローンに限らず、借入の審査をする際に利用する信用情報機関は大手三社(JICC、CIC、KSC)です。
自分の信用情報に不安がある人は登録情報を開示してみるのも一つの手です。
開示の方法は詳しくここでは書きませんが、KSCを除きオンライン手続きで簡単に開示できます。
自分も開示したことがあるのですが、手数料は1,000円程度だったかと思います。
詳しくは大手三社の下記リンクをご参照ください。
もしここで、致命的な延滞があることが発覚した場合(3か月以上延滞しており、かつ延滞解消から5年経っていない場合)は、残念ながら、住宅ローンに限らず「お金を借りること」はひとまず諦めてください・・
いわゆる「ブラックリストに載ってしまっている」状態です。対策としては、喪が明けるまで待つしかありません。
つまり、延滞解消から5年を過ぎるまで待つだけです。
(期間はそれぞれの信用情報機関によって定義がマチマチで煩雑なので、ひとまずわかりやすく5年とします。)
この状態だと、銀行が好む高属性(大手企業の正社員で、勤続年数3年以上、年収700万以上など)でも無理なケースがほとんどです。
「そこまで待てない!いますぐ家が欲しいんだよ!」という人の最終手段としては、自分名義で組むのを諦めて、収入がある妻または親名義で住宅ローンを借りるという手があります。
正直あまりおススメはしませんが・・・銀行の中には、働き盛りの夫がいるのに、住宅ローンの借り手として登場しない場合、「夫の信用情報に問題があるのでは!?」と疑うところもありますので。
この四つに該当しなければ、住宅ローンの審査は通ります。
過去に借入の遅れがないフリーランスの場合、住宅ローンの審査はほとんど通ります。
「いやいや・・そんな簡単じゃないでしょう・・」
いや、簡単なんです。住宅ローンというのは、それが良いかは別として審査はザルです。
ただ、借りれない場合も確かにあります。
その代表的な事例を四つ上げていきます。
- 確定申告をしていない。
- 明白な過少申告をしている。(申告所得が100万以下)
- 税金(国民健康保険料、所得税、市県民税、固定資産税)を長期にわたり滞納している。
- 借入額が収入と比較して明らかに過剰。(所得300万なのに6,000万借りたいなど)
この四つに該当しない場合は、フリーランスでも住宅ローンは通ります。
以下、少し補足します。
まず、確定申告をしていない人、これは問題外なのですが、意外とけっこういたりします・・・
しかも、大抵長期間にわたって無申告なので、正直お手上げ状態です。
対策として、修正申告するしかないのですが、遡って税金がかかるし、修正申告をしても、それ自体銀行は嫌うので、修正申告をした直後は、審査が通らなかったりします。
続いて、そこそこいるのが、過少申告のパターンです。
誤解をする人がいるのですが、住宅ローンが通らないのは過剰な過少申告をしている人です。
所得をそこそこ抑えている程度ならば、通ります。
目安としては、所得が100万以下だと、門前払いになります。
ただ、こういう場合でも、銀行を選ばなければ以前は組めました。
最近有名になった?スルガ銀行はこういうフリーランスの人たちに積極的に貸してました。
ただ、金利はべらぼうに高いですが・・
問題発覚後は、組めるかどうか不明です。
ですので、対策としては、住宅ローンを借りる年の前年の確定申告だけはしっかりと所得を上げることが必要です。
三つ目のパターンの税金滞納ですが、これは滞納を解消するしかありません。
ただ、滞納を解消しても、自治体によっては、納税証明書にしばらくは延滞歴が出てしまう場合があるので、これも時間を空けるしかありません。
最後のパターンは、これは計画見直ししかないです。
詳しくはここでは書かないですが、住宅ローンは返済比率という計算式で年収に応じて、借りられる金額がほぼ機械的に決まります。
この返済比率はかなり緩かったりするので、大人しく金額を下げた方が良いです。
その方が、自分のためです。
結論:普通のフリーランスは簡単に住宅ローン借りれます。
つまるところ、よっぽど変なことしていない限り、フリーランスでも住宅ローンは簡単に借りられますので、変に心配しなくても良いです。
フリーランスが住宅ローンを借りにくかったのは10年以上、15年以上前の話です。
貸す先がない銀行は今はそんな選り好みしている状況ではないです。
未だにその時の常識で語る人がいるので、気を付けましょう。