楽観的な人間になろうとするのに疲れた・・
「リスクを恐れずに行動しろ」、「リスクを恐れて、行動しないのはダメ。」
ツイッターを開けば、タイムラインにはこのような言葉が目に飛び込んで来る。しかも、これらのことを主張している人たちは、みな成功している方々ばかり。
元々悲観的な人間である自分は、「こんな後ろ向きではダメだ!」「何ビビってるんだ!大したことないだろ。」と自分のネガティブな思考を恥じ、前向きに考えようと努めてきた。
が・・・人の考え方を変えるのは難しい。結局、楽観的に物事を考えようと努力しても、生来の考えがフツフツと心に出てくる。
無理に悲観的な考えを抑えようとすると、ストレスが溜まる。
そんな自分の考えに大して、「もっとポジティブにならなければ・・」と更に余計な葛藤を抱えることになる。
ふと、ある本が目についた。以前から好きだった作者の新刊エッセイだ。題名は「悲観する力」・・・だと!!
本を読んだ結論・・・悲観的な人間の方が楽観的な人間より良い!
自分のような悲観的な人間も自身の考えに悲観する必要はない。むしろ、悲観的な思考こそ世の中には必要とされている。
そう確信させてくれた森博嗣さんの新刊「悲観する力」を紹介する。
「自分は悲観的だからダメ・・」と落ち込んでいる人は、ぜひ読んで欲しい。
何か計画を立てたら、徹底的に悲観せよ!
何か行動を起こそうとした時、脳裏に何が浮かぶだろう。自分のような悲観的な人間の場合だと、「起きる可能性があるリスク」だろう。
反対に、楽観的な人間であれば、「得られるリターン」だろうか。
著者いわく、計画を立てた際に必要とされるのは、悲観的に考えて、起こる可能性がある「リスク」を徹底的に調べて、その「リスク」に対する対策を立てること。
具体的には、「リスク」が起きる可能性(滅多に起きない or 起きる確率が高い)、「リスク」が起きた場合の損害(致命的な損害・・例えば、死 or 些細なこと・・・例えば、単に自分の感情が傷つく程度)を考えて、優先順位をつけて、対策を立てる。
そうすることによって、最終的には、「もうこれ以上、対策はとれない・・・やりきった・・」という心理状態になり精神も安定するし、対策を立てて、リスクを潰している訳だから、成功する可能性も高まるという訳。
これらの行動は意外と資格試験、受験勉強などでやっている人は多いのではないか。試験に出そうな箇所を勉強して、可能な限り、対策を立てて、合格(成功)確率を上げる努力をしている。
ただ、受験、資格などペーパーテストの場合は、対策を立て易いが、仕事や自分の将来などの場合は、なかなか具体的に対策を考えられないから、ただ悲観して落ち込むだけ・・・ということだけになりかねない。
悲観して何も行動しないというのはダメ
将来を悲観するだけで、何も行動しないというのはダメだと著者は言う。
なぜなら、悲観的な思考というのは、あくまで、起こりうるリスクを分析して、そのリスクを回避するための方法だから。
例えば、「今の生活をこのまま続けていると、将来お金が足りなくなりそうだ・・・ああ・・ダメだ!・・こんな、悲観的に考えては。」・・と将来を楽観的に考えても意味がない。
リスクがあるとわかっているのにもかかわらず、何も対策を打たなければ、リスクが起きる可能性は減少しない。
いざそのリスクが実際に起きた際に、結局何もできないし、事前にわかっていたから、余計に落ち込む。
ようは悲観的に考えて、リスクを認識できている分、楽観的な人間よりマシだけれど、見て見ぬ振りをしていたら、結局同じになるということ。
先の例で言えば、面倒でも、何かスキルを磨くなどコツコツと対策を立てて、将来お金が足りなくなるというリスクに備える必要がある。
中学生がヒッチハイクでアメリカを旅するのは・・
さて、話しが大幅に脱線する。ここからは、以上の悲観的な思考で、現在話題の問題について、考えていく。
悲観的に考えると、中学生がアメリカでヒッチハイクする際に起こりうるリスクとして最大なのは、「犯罪に巻き込まれて、命を失うこと」だろう。
これは生命である以上、回復できない代物だから、可能な限り、リスクを下げないといけない。(ただし、どんなことであろうと、絶対=100%防ぐことはできない。)
対策としては、「英語」「アメリカの治安状況・文化」を学習することが考えられる。これが、トラブルを未然に防止するという対策。
次に、実際にトラブルに巻き込まれた際の対策。最悪な事態に発展する前に、誰かにそのことを伝えて、迅速に救助される体制を整えておく必要がある。
一番の対策は、「二人以上で行動すること」だろう。どうしても、一人が良いというのならば、異変をすぐ誰かが察知してくれる体制を整えることが考えられる。
例えば、毎日数時間おきに定期連絡を行い、もし連絡がなければ、事件に巻き込まれたと考えて、自分の位置情報を最寄りの警察に通報してもらうなど・・。
結局、どうしてもヒッチハイクをやりたいなら、リスクを最大限に減らすべき・・という結論に至った。
ここまで対策を立てれば、周りも諦めて、応援するのでは!?