今年度も残りわずかで、もうすぐ4月、新年度が始まります。会社でも異動の辞令が出て、自分は特に異動はなかったので春だな~と呑気にかまえておりますが、この季節になるといつも思うことがあります。それは、転勤がある勤め人は家を買うべきではないなということです。今の自宅からかなり遠い場所に異動になったけど、持ち家だから引っ越せずに片道の通勤時間が1時間半以上かかるなんて話はザラに聞きます。という訳で、転勤シーズンの3月なので、今回は転勤があるサラリーマンは家を買うべきでない理由を書いていきたいと思います。
持家ゆえに勤務地の近くに引っ越せずに通勤時間が往復3時間はあまりにももったいない
まあ、家を買うべきでない理由は、正直この題名の一言につきるんですけどね。転勤で家から遠くになったにもかかわらず、持家のために通勤時間をべらぼうにかけて会社に通っている人を周りで何人も見てきましたから。ちなみに、都内勤務の場合、通勤時間(片道)に1時間以上かけている人は55%、1時間半以上が23%いるとのことなので、だいたい半数以上が往復で2時間、四人に一人は通勤に3時間以上をかけています。(参照:『満員電車はもう嫌だ!』 電車での通勤・通学事情(東京・大阪編)マクロミルより)賃貸なら勤務地の近くに引っ越すことは比較的容易ですから、この通勤時間の問題が、持家を持つべきではない一番の理由です。とはいえ、この記事を書くにあたり、賃貸、持家の人で通勤時間には大きな差があるものと思っていたのですが、実際は都内勤務で賃貸の人(30代)の平均通勤時間は58分、持家の人も58分と全く同じ・・・(参照:アットホームより)持家だから通勤時間が長いという訳ではないようです。賃貸の場合でも、長年の習慣に慣れきってしまい、変えることを面倒に思って諦めている人が多いというのが、通勤時間が長い理由かもしれません。そして、持家の場合は、気軽に引っ越しはできないので、変化を嫌い今いる場所に留まるという傾向がより強まるはずです。(でないとこの記事が成り立たない(笑))持家ゆえに勤務地の近くに住めずに毎日2時間、20日間働くとして月40時間も無駄にするのは本当にもったいないことです。もちろん、「いや俺は電車の中でスマホで情報収集したり、読書したりして有効に活用してるよ」って人もいるかと思いますが、通勤時間が片道10分と1時間半とではやっぱり仕事をする上でもモチベーションに影響があります。実際、自分も1年前に勤務地の徒歩圏に引っ越したのですが、「家近いしこの仕事を今日中に最後までやって帰るか」と仕事のモチベーションが格段にアップしました。仕事が終わってから家に着くまで1時間半かかるのと10分で帰れるのではやはり疲労感が違いますからね。
持家を賃貸に回すという手もあるけど、期間の定めがある定期借家契約だと賃料は安くなってしまう
「転勤になっても、持家を賃貸に回して、賃料でローンを払えばいいじゃないか」という人もいるかと思います。ですが、転勤から戻ってきた場合は自分が住むことになるので、期間を定めた定期借家契約で賃貸する必要があります。というのも、普通借家契約の場合は、賃借人の権利保護が非常に強いため、転勤が終わり地元に戻ってきたから賃貸契約を終了したいと言っても、賃借人の合意が得られない以上、賃貸人から解約することは原則できないからです。そして、定期借家契約の場合、賃料を一般の相場より安くしないとなかなか借り手がつきません。定期借家契約は定められた期間が終了すれば、借りている人は出ていかないといけませんので、長く住めない場所をあえて借りたいという人はあまりいないからです。色々と細かい話をしましたがようは、初めから投資用として購入して、普通に賃貸した方が通常の相場の賃料を取れて得だということです。持家購入のためにローンを払いながら、自分はその家に住めずに相場より安い賃料で貸さなければならないというのはどう考えても損をしています。ローンを借りるために抵当権を設定し、自分も実際に住んでいないのであれば、持家と言っても単にペーパー上(謄本上)に所有権があるだけでそこに意味はありません。それならば、家を購入せずにいつでも気軽に引っ越せる賃貸生活を続けて、住宅ローン支払額と同等の家賃を支払い続けている方がはるかに懸命です。
本日の社会を生き抜く知恵
転勤があるサラリーマンは家を購入せずに賃貸を続ける方が、気軽に引っ越せて、通勤時間も短くできる。「家賃を払い続けても何にも残らない。それなら家賃と同程度の住宅ローンを払って夢のマイホームを持とう」という言葉を鵜呑みにするのは危険。